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マクドナルド「60秒サービス」と口コミの歪み


この記事の所要時間: 40秒 〜 50秒程度(2286文字)


マクドナルドで「ENJOY!60秒サービス」がはじまった。
会計終了から商品提供まで60秒以上掛かったら、「ビッグマックなどお好きなバーガー無料券」をプレゼントするキャンペーンだ。キャンペーン期間は1月4日(金)〜1月31日(木)で、対象となる時間帯は11:00〜14:00。商品が60秒以内で提供されても「プレミアムローストコーヒー(ホット/アイス)(S)無料券」がプレゼントされるため、期間内&時間内に来店したお客はいずれにせよ何らかのタダ券を貰えることになる(参考: ENJOY!60秒サービス|日本マクドナルド)。
 
このキャンペーン、条件は付けているものの、要は2種類のタダ券を配っているだけだ。それならば好評を集めそうなものだが、インターネットで目にする評判は極めて悪い。店員が60秒以内に商品を提供しようと慌てるため、ハンバーガーなどの出来が悪くなり、サービスが低下しているというのだ。例えば、こんなまとめ(【やはり無理があった】マクドナルドの「ENJOY!60秒サービス」が酷い|Togetter)ができている。
 
さて、マクドナルドはなぜこのような事態を招くことになったのだろうか。
そこには、口コミの歪みについての認識の甘さがあったと考えられる。
 

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今日からはじめるA/Bテスト


この記事の所要時間: 340秒 〜 440秒程度(2073文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
今週はここまで行動経済学を紹介してきました。
行動経済学の素晴らしいところは、人間の行動を「こうするはず」や「こうするべき」と規範的に考えるのではなく、実験によって実際に「こうした」を把握する点です。
 
どのようなビジネスでも、しっかりした調査を行ない、できる限り「事実」に近いデータから意思決定することが重要です。このとき、ビジネスの場でキーとなる「人間」について事実に近付くアプローチをしている行動経済学は知識として欠かせません。ここ数回は、消費者をイメージして行動経済学を説明しましたが、社内の人間関係やライバル会社の行動を予想するにも役立ちます。
 
さて、人間の行動を実測するという意味で、行動経済学に関連深いと考えられるのがA/Bテストです。
 

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ヒューリスティクス、思考の近道に潜む罠


この記事の所要時間: 420秒 〜 520秒程度(2433文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
行動経済学によって広まった考え方にヒューリスティクスがあります。
ヒューリスティクスとは

 必ず正しい答えを導けるわけではないが、
 ある程度のレベルで正解に近い解を得ることが出来る方法

のことで、「答えの精度は保証されないが、回答に至るまでの時間が少なくて済む」という特徴があります(参考:ヒューリスティクス|ウィキペディア日本語版)。
 
標準的な経済学が仮定するような「合理的な人間」、つまり常に自身の利益を最大化するように行動する人間は、「ある程度のレベルで正解に近い解」を選ぶことはないでしょう。しかし、現実社会に暮らす生身の人間は往々にしてこの「思考の近道」を選びます。
 
ヒューリスティクスを使うことは人間として当然であり、決して悪いことではありません。ただし、ビジネスの現場においては、不用意なヒューリスティクスの使用が大きな損失をもたらし兼ねないのも事実です。「答えの精度は保証されない」ため、正解とは程遠いヒューリスティクスも多いからです。
 
『まぐれ』の著者であるナシーム・ニコラス・タレブは、人間が考える筋道にはヒューリスティクスと合理性の二つがあり、この両者をうまく使いわけることが必要だと言います。すべてを合理的に考える必要はありませんが、何でもヒューリスティクスで済ましていいわけではないのです。
 
そして、これらを使いわけるためにはヒューリスティクスについて理解することが欠かせません。幸いにも、ヒューリスティクスには典型的なパターンがあります。今回は、そのいくつかを紹介しましょう。
 

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合理的でない消費者を考えることが差別化に!


この記事の所要時間: 240秒 〜 340秒程度(1608文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
ビジネスについて議論をしていると、究極のところで「人間とはどういう生き物か」という人間観、「消費者はどんな行動をするのか」という消費者像の問題に突き当たることがあります。人それぞれが持っている人間の行動についての常識が齟齬をきたして、議論が紛糾するのです。
 
消費者が、どのくらい合理的、理論的、規範的に行動するか。
この価値観の違いにより、ビジネスの方法が大きく変わってくるのは間違いありません。彼ら彼女らが常に自身の利益を最大化するよう合理的に行動するならば、企業は他社よりも品質が優れていて充分に価格が安い商品の開発に専念すればいいことになります。それだけでヒット商品になること間違いなしだからです。
 
もちろん、そんなことはあり得ず、それは誰でもわかっているはずです。
しかし、ビジネスの場で議論をしていると、いつの間にか現実よりも合理的な消費者を想定することが多くなるのも事実です。合理的でない消費者を考えようとすると、

 ・議論がなかなか噛み合わない
 ・意思決定や社内の合意形成が難しくなる
 ・失敗したときに言い訳がし難く、苦しい立場に追い込まれる

などの事態が予想されるため、企業内では避けられる傾向にあるのでしょう。
 
これは、見方を変えれば大きなチャンスがあるということです。
社内でリアルな消費者像を想定して議論することができれば、その人なりその会社なりは競合他社より優位に立てるのです。合理的でない消費者をしっかり想定できることが、ある種の差別化になり得ます。
 
さて、合理的でない消費者を考えることはなかなか容易ではありません。
しかし、これを研究している学問があります。それが行動経済学です。
 

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これでIT活用と選挙結果の関係がわかる!?


この記事の所要時間: 210秒 〜 310秒程度(1347文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
日経ビジネスオンラインIT活用に積極的な国会議員は誰?という記事が掲載されました。日本政策学校と共同で実施した「政党・国会議員720人IT利用度調査」の結果を紹介するものです。
 
各政党・各政治家が

 ①ホームページ
 ②ブログ
 ③動画配信
 ④メールマガジン
 ⑤ツイッター
 ⑥フェイスブック
 ⑦ネット献金

を活用しているか調べて、1項目1点で得点化することによりそれぞれの利用度を採点しています。政治家のデータで言えば、衆院・参院議員720人で利用度0が18人、利用度1が132人、・・・、利用度7が39人という結果です。
 
実は、この調査はアンケート調査ではありません。専門チームが、実際に検索等を行なって各党・各人のIT活用状況を調べた結果です。アンケートと違って回答拒否や虚偽回答がなく、事実誤認も少ない(ほとんどない)上質のデータだと考えられます。
この調査を発展させれば、更におもしろいことがわかるでしょう。
 

photo credit : KEXINO via photopin cc

 
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