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今日からはじめるA/Bテスト


この記事の所要時間: 340秒 〜 440秒程度(2073文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
今週はここまで行動経済学を紹介してきました。
行動経済学の素晴らしいところは、人間の行動を「こうするはず」や「こうするべき」と規範的に考えるのではなく、実験によって実際に「こうした」を把握する点です。
 
どのようなビジネスでも、しっかりした調査を行ない、できる限り「事実」に近いデータから意思決定することが重要です。このとき、ビジネスの場でキーとなる「人間」について事実に近付くアプローチをしている行動経済学は知識として欠かせません。ここ数回は、消費者をイメージして行動経済学を説明しましたが、社内の人間関係やライバル会社の行動を予想するにも役立ちます。
 
さて、人間の行動を実測するという意味で、行動経済学に関連深いと考えられるのがA/Bテストです。
 

photo credit : nettsu via photopin cc

 
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「コメ、主食の座危うし」はホント?


この記事の所要時間: 310秒 〜 410秒程度(1818文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
オンライン版の読売新聞に「コメ、主食の座危うし…購入額でパンに抜かれる」という、不可解な記事がありました。パンの購入額がコメの購入額を上回ったことを根拠に、まるで主食が入れ替わったような書きようです。「危うし」とか「揺らいでいる」とか曖昧な表現を使ってはいますが、記事はパンとコメの地位逆転を煽っていると言えるでしょう。
 
「主食」の定義ははっきりしませんが、購入額で比較するのは間違いです。購入額を基準にするなら、コメとパンの摂取量に変化がなくても、小麦相場が上がり米相場が下がっただけで主食が入れ替わってしまいます。そんなバカな話はありません。つまり、購入額の逆転は主食の変化をあらわさないのです。
 
ある現象を説明するためにデータを使うのは良いことですが、そのデータが説明したい現象と噛み合っていなければ何にもならないのです。
 

 
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仮説のための情報、決断のための情報


この記事の所要時間: 140秒 〜 240秒程度(1077文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
ダイヤモンド・オンラインにIT調査会社 ガートナー社のCIO ダーコ・ヘリック氏のインタビュー記事が掲載されていました。ガートナー社は世界中の「CIO向けにさまざまなアドバイスやサービスを提供」している企業ですから、そのCIOがデータ活用について何をどのように考えているかは興味を惹かれるところです。
 
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成功するかは運次第 → だから準備が必要


この記事の所要時間: 20秒 〜 30秒程度(1275文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 

お金持ちはみんな粘り強くてよく働く人たちだからといって、粘り強くてよく働く人がみんなお金持ちになるとはかぎらない。失敗した起業家はたくさんいるけど、多くの場合彼らだって粘り強くてよく働く人たちだ。

 
これは直前の記事でも取り上げた『まぐれ』(ナシーム・ニコラス・タレブ/ダイヤモンド社)に出てくる一文です。成功者(お金持ち)からその共通点(粘り強くてよく働く)を見つけ出すことができても、それが成功要因とは限らないことを言っています。同じことをして失敗している人もたくさんいるからです。成功者の共通点さえ真似すれば必ず成功できるわけではありません。論理的に考えれば当然のことですが、このロジックの間違いは犯しがちです。
 
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情報発信はHTMLメールで!?


この記事の所要時間: 150秒 〜 250秒程度(1155文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
以前も記事に書いたのですが、最近、Gunosy(グノシー)というサービスを利用しています。自分の興味に合ったニュースの一覧が1日1回メールで届くサービスです。
 
自分のところには他のニュースメールもたくさん届きますが、Gunosyで紹介された記事のクリック率は他のメールと比べて圧倒的に高いようです。HTMLメールなのでメリハリがあり、記事タイトルがすぐに読めるのでついついクリックしてしまいます。
 


HTMLメールは読者にやさしい


元々、電子メールはプレーンテキスト形式(文字のみ)でしたが、規定がつくられたことによりHTML形式(文字の装飾や画像の組み込みが可能)での送受信ができるようになりました。互換性やセキュリティの脆弱性を指摘する意見も根強いですが、実際には徐々に普及しているようです。
 
最近のニュースメールに含まれる情報量は膨大です。数十件、ときには数百件の記事タイトルが並ぶことさえあります。これをプレーンテキストメールで読もうとすると記事タイトルを追うことさえ難しく、興味のある記事を発見するのは困難です。読んでいる途中で疲れてしまい、最後まで読む気が起こりません。HTMLメールは読者にやさしく、プレーンテキストメールは読者に不親切と言えるでしょう。
 
読者の立場で考えれば読みたくなかったら読まずに捨てればいいのですが、情報発信側はそうは行きません。いくら情報のクオリティが高くても、メールが読まれなくては意味が無いのです。ニュースメールはHTML形式の採用を再検討する必要があるのではないでしょうか。
 


メールのクリック率が落ちているのなら・・・


さて、当然のことですが、上記は仮説に過ぎません。HTMLメールが本当に有効かどうかを知るためには検証をする必要があります(ニュースメール以外の案内メールでも同じことです)。
 
具体的には、まず、新規登録のとき、こちらからのメールをHTMLメールとプレーンテキストメールのどちらで受け取りたいかを選べるようにします。その上で、両メールで記事のクリック率が違うかどうかを検証するのです。何割程度がHTMLメールを望むかもわかるので、HTMLメールへの拒否感が残っているかも確認できます。
 
もちろん、手間と時間が掛かるので簡単にはできません。が、今現在のメールのクリック率が落ちているのなら(きっと落ちていると思うのですが)、トライアルしてみた方がいいでしょう。読者の手元に届く情報量は今後も増え続けます。今まで通りの方法で情報提供を続けるだけでは、現状を維持するのは困難でしょう。
 
きっかけを自ら見つけて動く、このやり方が求められます。