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経営者を評価するなら「違った歴史」も考えよう!


この記事の所要時間: 250秒 〜 350秒程度(1701文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
世の中には、何ごとについても「確定的」な物言いをする人と「確率的」な物言いをする人がいます。自分は「確率的」に考えるタイプで、「確定的」な考え方の人と話していると、稀に議論がまったく噛み合っていないと感じることがあります。「事実とは何か」、「理論とは何か」といった部分の根本的な認識が大きく違うことが原因です。このレベルの認識のすり合わせは困難で、残念ながら議論は平行線をたどることになります。「確率的に考えることは正しい」と信じていても、多勢に無勢で「確定的に考えた方が現実的なのかも知れない」の思うことさえ少なくありません。
 
『まぐれ』(ナシーム・ニコラス・タレブ/ダイヤモンド社)は、そんな迷いを吹き飛ばすに充分な一冊です。偶然性とそれに向き合う人間の心理について書かれた本で、確率とうまく付き合うためのヒントがたくさん盛り込まれています。「確率的」に考えることの重要さと難しさが詳しく説明されており、「確定的」に考えることに不安を感じる人に特にオススメです。
 
そこで、今回から数回にわたって、『まぐれ』が指摘するいくつかの知見を紹介します。

photo credit : Scott Wurzel via photo pin cc

 
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祝100本!


この記事の所要時間: 010秒 〜 110秒程度(323文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
4月からはじめたこのブログ、どうにか100本目の記事となりました。
毎日更新するようになって約3か月。自分で読み返しても「手抜きだなぁ」という記事もありますが、100本の記事ができたことは間違いありません。まずは、自ら祝おうという気持ちです。
 


S字カーブを期待して・・・


ブログを書き続けることの効果は「ある」とも「ない」とも言えそうです。兆しは感じるのですが、なかなか実感するまでには至りません。
 
何ごとも作業量と成果の関係はSカーブです。比例ではありません。そのうち成果があらわれることを期待して、これからも毎日更新を続けます。
 

作業量と成果のS字カーブ
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「何をデータ化するか」から考えよう!


この記事の所要時間: 320秒 〜 420秒程度(1954文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
情報技術の進展により爆発的な量のデータが簡単に手に入るようになった現在、「データをいかに有効活用するか」が企業間競争の一つの争点となっています。特に、集めたデータから「より価値のある情報を導き出す方法」、すなわちデータマイニングやビッグデータなどのデータ分析技術が注目されているようです。
しかし、データ活用には見逃してはならないもっと大切なことがあります。
 


「何をデータ化するか」が出発点


データから価値ある情報をつくりたいのなら、その前に「何をデータ化するか」を考えることが重要です。いい加減なやり方でつくったデータや、解決したい課題にマッチしていないデータを出発点にしてしまったら、いくら高度なデータ分析を行なっても役立つ情報は出てこないからです。最近、この部分が欠けている議論が多いように思えてなりません。下図でいう「データ化」および「情報化」をしっかりわけて考え、「データ化」にもっと注力することが有益な情報を得るために必要だと考えます。
 

データ化と情報化

 
データを客観的な事実と捉える人がいます。そこに作為の入りようはないという考えです。確かに、正当な手続きを経て作成されたデータは客観的な事実に近いものです。しかし、いくら正しく作業をした客観的なデータだとしても、それは現実の一面しかあらわしていません。どの一面をデータ化するかの判断に主観が入っているのです。もちろん、主観が悪いというわけではありません。真に客観的なデータなど無いことを踏まえて、利用するデータを選ぶ際に慎重に価値あるデータを選んで欲しいのです。「何をデータ化するか」によって、データから導き出される情報の価値に差が付くのですから。
 


お客さまをどうやってグループ化するか


既存のお客さまをグループ化して、販売促進キャンペーンを行なう場合を考えてみます。
グループ化の基準として、例えば、性別や年齢などの属性情報、お客さま別の売上額や来店頻度などの購買履歴情報、アンケートで聞いたお店への忠誠度やクチコミ影響力などの行動特性情報が考えられます。どれもある程度は客観的なデータですが、どのデータをインプットとして使うかによって、出来あがるグループ(アウトプット)が変わるのは当然です。この場合、属性情報よりも購買履歴情報を、購買履歴情報よりも行動特性情報を元にキャンペーンを行なった方が成果は大きいと想像されます。
 
この例からも、目的に応じてどんなデータを集めるか/使うのかを考えることが重要だとおわかりいただけるのではないでしょうか。
 


データ化の3つの注意点


さて、どうやって慎重なデータ化をするかが問題になります。
しかし、これに正解はありません。ただ、以下の3点に注意することは間違いなく有効だと言えるでしょう。
 
 目の前にあるデータに飛びつかない 
誰もが陥る失敗は、既にあるデータからスタートしようとすることです。
データがあるのならそれを使いたくなるのは人情ですが、これをやってしまうと価値の低い情報しか出てこない可能性があります。やはり、自分が何をしたいかに合わせて、少し面倒でもデータを集める必要があるのです。
 
 データにしにくいものも取り込む 
現実に起きていることの中にも、データにしやすいものとデータにしにくいものがあります。上の例で言えば、お客さま別の売上額などは(会員カードさえあれば)比較的データ化しやすいものでしょう。一方で、お客さまの店への忠誠度などをデータ化するのは大変です。そうなると、ついつい売上額を使いたくなります。しかし、データにしにくいものでも自分の目的にあったものなら、どうにかデータにして用いるべきなのです。費用対効果の問題はありますが、この心掛けを忘れてはなりません。
 
 なるべく客観的になるようにする 
データを主観で選んでいいと言うと、自分に都合のいいデータばかりを集めることになりがちです。これは避けなければなりません。少しでも客観的になるよう、データを取捨選択する必要があります。
 


データ活用は意味付けが大事


最近のデータ活用についての議論は、データをどのように分析するかの技術論ばかりが中心で、そもそもどんなデータを使うのかの部分が弱いように見受けられます。特にソフトウェアメーカーやシステム会社の議論などがそうです。
 
しかし、データ活用で本当に大切なのは、元となるデータを間違えないことです。そのためには、一つ一つのデータの意味を考えることが必要になります。この点に注意して実りあるデータ活用を行なっていただければと考えます。

【4つの窓】で単純化!


この記事の所要時間: 210秒 〜 310秒程度(1307文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 


【4つの窓で考える】フォーマット


一つのことを深く長く考えていると、考えが発散し過ぎてしまうことがあります。
そういうときは、考えを収束させるために単純化を行なうことになりますが、ここで役立つのが【4つの窓で考える】思考法です。考えている対象について、
  ①重要だと思われる2つの軸(指標)を選択して
  ②その軸の高低や大小を基準に4つの窓にわけて
  ③4つの窓の意味や価値を評価する

ことで単純化します。
 
フォーマットにするとこんな感じです。
 

4つの窓で考える
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経営学やビジネスの本に数多く登場するフォーマットなので、何か困るとこのフレームを使って考える中小企業診断士をよく見掛けます。【製品=市場マトリックス】が有名なせいか、マトリックスと言う人が多いようです。マトリックスという言葉は意味が広過ぎるため、佐々木は【ジョハリの窓】に敬意を表して【4つの窓】と呼ぶことにしています。
 


【4つの窓】で注意したい3つの事柄


皆さんに使っていただきたいと考えて【4つの窓で考える】フォーマットをつくったわけですが、これを使う際にはいくつか注意が必要です。
 
 重要な軸を選ぶ 
よくある失敗が、あまり重要でない軸を使った【4つの窓】です。
単純化することを目指すあまり、わかりやすいだけの軸を選んでしまいがちですがこれは禁物です。最初にたくさんの軸候補を書き出し、その中から3つか4つに絞り込んで、更に何個かの組み合わせを試してみて最終決定するのが良いでしょう。一度軸を決めてしまうと、その軸が適切なのかはあまり疑わず先に進んでしまうものです。慎重に軸を選ぶことは何より重要です。
 
 大小もしくは二元の軸を使う 
【4つ窓】で使う軸は意味がはっきりわかるものでなくてはいけません。
それも各軸を2つにわけるのですから、分割できることが必要条件です。これに適したのが「売上高の大小」や「顧客満足度の高低」など数値で示せるものです。「どこまでを大にして、どこからを小にするか」という問題はありますが、軸ははっきりします。もう一つ使えるのは二元できるものです。「○○である」と「○○でない」の関係です。
商品の種類などをいくつも並べる人がいるのですが、これをやると訳がわからなくなります。主要な3種類の取り扱い商品を横に並べたりすると、位置関係の意味がはっきりしないので混乱を招くだけです。
 
 中に入れるモノを決める/統一する 
これもよくあるのですが、窓の中に入れるモノがはっきりせず、不統一なパターンです。
左上と左下の窓には対策が書いてあり、右上の窓には現状が、右下の窓にはクエスチョンマークが書いてあったりすることがあります。中に何を書くかを決めてから【4つの窓】をつくる必要があります。
 


【4つの窓】で単純化しよう!


さて、いろいろ書きましたが【4つの窓】は使いやすいフレームです。
注意点に気をつけて、ぜひご活用になっていただければと思います。

どちらがマシな間違いか?


この記事の所要時間: 220秒 〜 320秒程度(1443文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
人は誰しも間違います。
個人も企業も、少しでも間違いを減らすためにさまざまな工夫をしていますが、これを完全に無くすことはできません。どうやっても「ヒューマンエラーは無くならない」のです。このため、ミスを減らす努力をすると同時に、ミスが起きたときの対処やミスの影響を小さく留める方法を考えておくことが大切です。
 

photo credit : wokka via photo pin cc

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統計学では判断の間違いを第一種過誤と第二種過誤の2種類にわけて考えます。これを統計学の言葉で説明するとわかり難いので(やや不正確ながら)意訳してみました。

 ●第一種過誤:誤った仮説を肯定する間違い。偽陽性。
 ●第二種過誤:正しい仮説を否定する間違い。偽陰性。

これらの言葉を覚える必要はありません。でも、この分類を使って「どちらがマシな間違いか?」を考えることは役立ちます。
 
例えば「疑わしきは罰せず」という考え方があります。
これは「容疑者は有罪だ」という仮説に対しては、第二種過誤(有罪の人を罰しない)より第一種過誤(無罪の人を罰する)の方が大きなミスだと考えているということです。一方、病気の簡易検査などは、第一種過誤(病気に掛かってない人を病人と判定)より第二種過誤(病気に掛かっている人を病人でないと判定)の方が危険です。このため、検査はより敏感に反応するように設計されています。
 
話が変わるようですが、昨日、高橋克也容疑者が逮捕されました。
逮捕の前に、捜査員が高橋容疑者本人を一度取り逃がしそうになったという報道があります。店員が「高橋容疑者に似ている」と言ったのに、捜査員が「似ていない」と判断して話し掛けなかったというのです。この例は、第一種過誤と第二種過誤の影響の大きさの違いを判断できていない典型例でしょう。真犯人を犯人でないとして見逃すミス(第二種過誤)と、犯人でない人に話し掛けて不快な思いをさせるミス(第一種過誤)のどちらの影響が大きいかは自明です。人がミスをする(「似ていない」と判断する)のは仕方ありませんが、二種類の過誤の影響の違いがわかっていれば、その後の行動が変わりミスの影響を小さくできます。この視点を持つことはとても重要です。
 
さて、ビジネスの場でもどちらのミスを避けるべきかを考えることは有効です。
スーパーマーケットで万引き犯を捕まえようとしているとき、店の信頼を考えれば犯人でない人を万引きで捕まえる第一種の過誤を犯すことは絶対に避けなければなりません。一方、ある種の商品開発などは第一種の過誤(売れない商品を売れると考える)を怖れていては売れる商品をつくることはできなくなってしまいます。程度の問題はありますが、積極的に第一種の過誤を犯すぐらいでなくてはいけません。
 
ポイントは二種類の過誤を犯したときに起こる影響を比較することです。
第一種の過誤による損害、第二種の過誤による損害を書きだして、どちらが影響が大きいかを考えることが有効になります。
 
そこでこのテーマをペラいちのフォーマットにしてみました。
ぜひ、ご活用ください。
 

どちらがマシな間違いか?
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