タグ : 人口

東京23区の人口が900万人を超えた・・・らしい


この記事の所要時間: 210秒 〜 310秒程度(1334文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
今朝、NHKに東京23区人口 900万人超というニュースがありました。
1960年代に減少し始めた23区の人口が、1990年代中盤から増加に転じて、ついに900万人を超えたという話題です。
 
東京という都市の活力を感じる方も、東京への一極集中を憂う方もいるでしょうが、佐々木がこれを見ていて気になったのは「どの人口が900万人を超えたのか」です。
人口のような国家の基礎をなす統計でさえも、その値は一つではないのです。
 


いろいろな人口


人口のデータは大きくわけて2つないし3つあります。
 
1つ目は、国勢調査人口です。
資料等を元にするのではなく、ある地域に住んでいる人たちを実際に調査し、それを足し上げて統計としています。正確な現状を把握するのに適したアプローチですが、5年に一度しか調査されないため最新の統計がわからないのが難点です。
 
2つ目は、住民基本台帳に基づく人口
これは住民票を元に人数を数えた統計です。基盤となる資料があるため素早く精確な集計が可能ですが、それが実状をどこまで表しているかはわからないという問題が残ります。引っ越しても住民票を移さない人、届け出が遅れる人などがいるからです。
 
そして3つ目となるのが推計人口です。
国勢調査のデータを元に毎月の出生・死亡・転入・転出を加減して算出します。出生・死亡・転入・転出の管理は住民票をベースにして行なわれているので、上の2つをうまく組み合わせていることになります。国勢調査の正しいデータを元に(届け出ベースとはいえ)最新の状況を反映させているわけです。理屈で考えると出どころが違う2つの統計を合成するようなアプローチは感心しません。それでも、最新の人口を知りたいのならこれが一番実態に近い数値だと思われます。
 
東京23区で900万人を超えたのもこの推計人口です。
ただ、推計人口は飽くまで“理論値”なので、人口が本当に900万人を超えたのかは誰にもわかりません。
 


人口も定義次第


データにあまり関心がない人には、人口の統計は「ただ数える」だけなのでとても単純なものに映るでしょう。しかし、実際に数えるとなると、そう簡単にはいきません。「何をもって人口とするか」を確実に定義して、その定義にあった数え方をする必要があります。
 
あるラベルを貼られたデータ(例えば人口データ)があると、そこのまったく疑いを抱かない人も多いですが、データは誰かがつくるものです。その定義や測定の方法によって、さまざまなデータが生じ得るのです。
 


データーをどうやってつくるか想像しよう!


データというものは、コンピュータを使えば何でも弾き出せるようなものではありません。多くの場合、データは何らかの調査を元につくられます。そこには、何らかの定義や考え方が潜んでいます。
 
データを見るときは、その数値をただ信じるのではなく、どうやったらその数値がでるのかを一考することが有効です。決して専門家でなければわからないようなものではありません。普通に実際の作業を想像するだけでも充分です。

千代田区の昼間人口は夜間の17倍!


この記事の所要時間: 20秒 〜 30秒程度(1215文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
総務省統計局から従業地・通学地による人口・産業等集計結果が発表になりました。2010年の国勢調査に基づくもので、人口の移動に着目した集計結果です。これを見れば各市区町村の昼間人口や昼夜間人口比率がわかります。
 
ビジネスを考えるとき、夜間人口より昼間人口が重要となることがあります。このデータは市区町村単位なのでビジネスを考えるには網目が粗過ぎますが、その大きな傾向や用語の定義・算出式を知っておいて損はないでしょう。
 

photo credit : mrlins via photo pin cc

photo credit : mrlins via photo pin cc

 


>昼間人口、昼夜間人口比率とは


昼間人口は、まさに“昼間の人口”で次のような算出式で表現できます。

昼間人口 =
 夜間人口 + 通勤・通学で流入する人口 − 通勤・通学で流出する人口

もちろん、夜間に通勤・通学をしている人もいる筈ですが、そこは無視しています。
 
昼夜間人口比率の算出式は、こうです。

昼夜間人口比率 = 昼間人口 ÷ 夜間人口 × 100

昼夜間人口比率が高い場所ほど昼間に人が増えるということです。
 


千代田区の昼間人口は夜間の17倍!


昼夜間人口比率はこのような指標なので、当然のように東京都で高く(118.4)、周辺の埼玉県(88.6)、千葉県(89.4)、神奈川県(91.2)で低くなります。東京都特別区の中でも差が出ていて、都心部の千代田区(1738.8)、中央区(493.6)、港区(432.0)が極めて高い数値に、住宅地が多いと考えられる練馬区(82.1)、江戸川区(84.1)、葛飾区(85.0)が低い数値になっています。
 
それにしても千代田区の1738.8という数値は極端です。
4.7万人の常住人口に対して、昼間人口が81.9万人もいます。17倍以上。都心部の宿命とはいえ、凄い数値になっています。こういう地域では、行政サービスのあり方一つをとっても他の地域と大きく異なったものが求められます。
 


当たり前のことでもデータを見よう


さて、今回のデータから上記のようことがわかります。
もちろん、データを詳細に見ればもっとたくさんのことがわかる筈です。
 
今回取り上げたのは、聞けば当たり前と思う結果ばかりですが、それをデータで数値として知ることに価値があります。千代田区の昼間人口が多いのは誰でも想像できます。でも、それが夜間の17倍であり、また実数で81.9万人であることはあまり知られていません。そして、ビジネスで必要なのは後者なのです。
 
この違いを理解して、実際のデータを見る習慣をつけることが重要です。

平均寿命は伸び続ける!?


この記事の所要時間: 050秒 〜 150秒程度(692文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
先日、厚生労働省から2010年の平均寿命が発表されました。
2010年10月の国勢調査の結果に基づく第21回 生命表として公開されたものの一部で、平均寿命は男性が79.55歳、女性が86.30歳です。
 

photo credit : indrarado via photo pin cc

photo credit : indrarado via photo pin cc

 
これを聞いて「オレは今40歳だから、寿命は残り39.55年」などと言う人がいますが、これは間違いです。平均寿命は0歳児の平均余命であって、既に歳を重ねた人の寿命ではありません。今40歳の人は、平均でもう少し長生きします。40歳まで生きながらえただけのアドバンテージがあるので、そのぶんだけ平均寿命が長いわけです。現在の年齢に応じた平均寿命を算出すると、以下のようになります。
 

現在年齢別平均寿命

 
さて、このようにある条件(今◯◯歳)を前提に求めた確率を条件付き確率といいます。
数式の話をするとわかるものもわからなくなるので避けますが、条件によって確率が変わる場合があることは直感でご理解いただけるでしょう。ある商品を1回も買ったことのない人と、その商品を何回も買ったことのある人では、次回来店時の当該商品購入率が違って当然というわけです。
 
条件付き確率の視点でモノを見ると、思わぬ発見があることがあります。
皆さんもこの視点で考えてみることをトライしてみたらいかがでしょうか。