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複雑怪奇な新宿駅が生産性を下げる?


この記事の所要時間: 310秒 〜 410秒程度(1821文字)


新宿駅は難しい。
何本ものJR、私鉄、地下鉄が乗り入れていて、訳のわからない状態になっている。もはや、どこからどこまでが新宿駅なのかさえはっきりしない。JRの出口は、南側だけでも南口、東南口、新南口、サザンテラス口と4つある。
 
果ては新宿西口駅だ。
新宿という街自体に西口はなく、この駅名は駅が新宿駅西口にあることをあらわしている。新宿駅西口駅とするのが正しいが、それでは何のことやらわからないので、この駅名になったのだろう。新宿西口駅の存在が、新宿駅の混乱を象徴しているように思う。
 
新宿駅は、使い慣れている人間でも、日ごろ利用しない路線に乗り換えるとなると一苦労だ。ほとんど複雑怪奇な要塞と化していて、立体なので構内図を見てもよくわからない。仕方なしに、大体の方向を目指して歩いて行くと、そこには通路がなかったりする。長く東京で生活している人間でもこうなのだから、不慣れな人は大変だろう。
 
駅で迷えば、余計な時間が掛かるし、ストレスを感じる。迷ったらいけないと考えて、事前に地図を確認したり、少し早めに外出したりすれば、それはそれで時間のロスだ。新宿駅は、電鉄各社をはじめとした各企業が個別の利益を追求するために、無計画かつ無制限に拡張している。そして、これが利用者の仕事の効率を下げているのだ。
 
新宿駅の利用者数を考えると、この影響は計り知れない。多くの企業や人間に関係するインフラが非効率になれば、誰もが少しずつ損をする。普段、それらは「あの駅は不便だな」等の文句を言われるだけだが、大きな視野で捉えると違った結論が導き出される。そう。もしかすると、複雑怪奇な新宿駅が日本の生産性を下げているかも知れないのだ。
 

photo credit : pictureTYO via photopin cc

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ジェネリック家電が売れる時代の原点回帰


この記事の所要時間: 440秒 〜 540秒程度(2579文字)


ジュネリック家電が売れているという記事があった。
 

今、“ジェネリック家電”が注目を集めている|週プレNEWS
特許が切れた医薬品(先発医療品)と同じ成分で別メーカーが作る薬を、ジェネリック医薬品(後発医薬品)という。効き目は同じなのに価格が安くなるため、最近は医師の処方にジェネリックを希望する人が増えている。これと似たような流れが、家電業界でも起こっているのだ。

家電製品の世界でも、あまり名を聞かないメーカーが製造する激安商品なのに、有名メーカーの人気商品に負けない性能を持つものが数多くある。〔略〕

テレビやHDレコーダーなどのAV機器やタブレットなどのITデバイスのほか、日常生活に欠かせない白物家電でも評判が広まりつつあるジェネリック家電。上質の製品を見極める目があればお金をかけずに生活向上できるだけに、ポイントを押さえて賢く使いたいものだ。

 
ここでジェネリックは「一般名称で販売される」「ノーブランド」の意味。ジェネリック医薬品と同様、「効き目は同じなのに価格が安くなる」ジェネリック家電が注目を集めているというのだ。記事では、家電量販店と家電メーカーの力関係に注目しているが、マーケティング視点で考えるとポイントは少し違ってくる。重要なのは、「最新機能が豊富なブランド家電」と「基本機能を抑えているジェネリック家電」の違いが、消費者に届いていない点だ。
 
現代においてマーケティングを考えるとき、消費者がマーケティングを知っていることを前提にする必要がある。マーケティングが導入された初期の時代と違って、うぶな消費者はほとんどおらず、多くの消費者は企業のマーケティング活動をさめた目で見ている。「またやってるよ!」の類だ。今どきの消費者は、メーカーが必要のない機能を追加することで商品価格を吊り上げようとしていることを知っている。商品の機能が増えたことを素直に喜ぶほど、消費者は単純じゃない。
 
そして、この記事を読んで感じるのは、手だれの消費者が「最新機能が豊富なブランド家電」と「基本機能を抑えているジェネリック家電」の違いに見向きもしなくなっている実態だ。メーカーが売り文句にする追加機能の多くがほとんど役立たないことに見抜いていて、そのことを隠そうともしない消費者像が見えてくる。
 
そんな時代にこれまで通りの戦略を実行しても、勝ち目がないのは自明と言えよう。
では、企業はどうしたらいいのだろうか。
 

photo credit : Magic Madzik via photopin cc

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カフェ参入に本格コーヒーは必要ない!


この記事の所要時間: 250秒 〜 350秒程度(1628文字)


コーヒーが熱い。
マクドナルドやセブンイレブンをはじめとした各社が、コーヒー事業に注力しているらしいのだ(参考:コーヒー需要拡大、顧客争奪戦へ マクドナルド、セブン…異業種続々|SankeiBiz)。
 
スターバックスが成功したこともあってか、コーヒー市場についてのこの手の記事は毎年のように登場する。二匹目のどじょうを狙う各社がコーヒー事業をてこ入れすることで、「市場が変わる」というニュースだ。身近な飲み物だけに話題になり易いのだろうが、ほとんどの成功ストーリーには無理があり、読んでいて呆れてしまうことも多い。
 
コーヒー事業に関する記事でいつも不思議に思うのは、どの会社も「本格的なコーヒー」を謳うところだ。そんなものを目指しても、成功は勝ち取れないだろう。
 
なぜ、本格コーヒーは必要ないと言えるのか。
今回はこれについて説明する。
 

photo credit : Martin Gommel via photopin cc

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中小企業でもハッカソン?


この記事の所要時間: 40秒 〜 50秒程度(2285文字)


ブレーンストーミング、ワールドカフェ、ファシリテーション、・・・。
 
人が集まって何らかのアイデアを生み出し、それを実現するための手法は、これまでにもたくさん開発、提案されてきた。どれも完璧ではないものの、型無しで藪から棒に議論するよりは効率が良いため、実際に企業の中で使われることも多い。人々のアイデア出しに対する情熱は凄まじく、このニーズに応えようと次々に新しい手法が編み出されているのが現状だろう。玉石混淆どころか石石混淆の感も否めないが、それでもどこかしら役立つところがあるのがこの種の手法のおもしろいところだ。
 
さて、ハッカソンをご存知だろうか。
ハッカソンは「ハック」と「マラソン」を組み合わせた造語で、10年くらい前から使い出された言葉だ。ハックというと「ハッカー」を連想してマイナスのイメージを持つ人が多いかも知れないが、ここでは「高い技術を駆使する」程度の意味で使っている。要は、その技術を何にどのように使うかが問題で、ハッカソンではこれをプラスに使うことを前提としているのだ。
 
ハッカソンは、プログラマーやグラフィックデザイナーなどの技術者たちがたくさん集まり、同じ目的に向かって集中的に共同作業をするイベントだ。イベントの期間が1日〜1週間と長いため、マラソンと組み合わせた呼び名にしたらしい。実際にプログラムをつくり、その成果物を最後にプレゼンテーションで競うことも多い(参考:ハッカソン|ウィキペディア日本語版)。
 
このハッカソン、やや毛色は違うもののアイデア出しの手法と捉えることもできそうだ。言葉の由来からIT関連のイベントで使われることが多いが、アイデア出しの部分に注目する限り分野を限定する理由はない。そして、日本でも今年あたりそろそろはやり出しそうな気配がある。
 
ハッカソンは定義が曖昧でバズワード感たっぷりな言葉だが、人を惹き付ける何かがある。バズワード化して、これを商売に使いたい企業の訳のわからない解釈が加わる前に考察しておくのも悪くないだろう。
 
そこで、ハッカソンの魅力をあぶり出し、中小企業で応用するための方法を考えてみることにした。
 

photo credit : foursquare HQ via photopin cc

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ピンクのクラウンはどこに向かう?


この記事の所要時間: 320秒 〜 420秒程度(1929文字)


昨年末、トヨタから14代目となる新しいクラウンが発表された。
「新型クラウンは、デザインに徹底的にこだわった」との言葉通り、今までのクラウンとは趣きの違うかなりインパクトのあるデザインだ。フロント部分の大きな王冠も特徴的だが、それより何よりあのピンクのクラウンに驚かされた人も多かっただろう(参考:王冠大きく、デザイン2種類 全面改良14代目クラウン|朝日新聞)。
 
このインパクト抜群の新しいクラウンは、多くの注目を集めている。
他の新車との比較は難しいものの、ニュースサイトの取り上げ方、Googleでの検索数の推移を見る限り、話題性があるのは間違いないようだ。
 
新商品を発売するとき、話題づくりは欠かせない。
商品を買ってもらうためには、まず注意や関心を集めることが必要だからだ。その意味で今回の新型クラウンの立ち上げは成功と言えよう。
 
しかし、話題づくりには「良い話題づくり」と「悪い話題づくり」がある。
そして今回の新型クラウンの話題づくりは後者、すなわち「悪い話題づくり」のように思えてならない。「ピンクのクラウンはどこに向かう?」と、その迷走ぶりを心配するのはその所為だ。
 

photo credit : #patrick via photopin cc

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