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「逆張りマーケティング」は計画的に!


この記事の所要時間: 30秒 〜 40秒程度(1779文字)


逆張りという言葉がある。
元は相場の用語で、トレンドと反対方向の取引をして「儲ける」ことをあらわすのだろうが、実際に儲かることは少ない。多勢に流されず自身の判断で売り買いをする姿勢は格好いいものの、逆配りが簡単にうまくいくわけもなく、多くの場合は損をすることになる。損の回数がいくら多くても、得するときの儲け額が大きければトータルでプラスになるとは言え、なかなかそうはならない。魅力的なアプローチに見えても、成功は難しい。
 
相場で逆張りをしている分には、失敗をしても自分が損をするのだから勝手といえば勝手だ。しかし最近は、この逆張りを口先だけで行なう人が多い。世間が景気上向きの予想なら「景気後退」と言い、人々が放射線の影響におびえていれば「放射線は健康にいい」と言い出す。世の中の動きに流されず自身の信念に基づいて冷静沈着な発言をする人がいる一方で、深く考えず反射的に反対のことを言う人もたくさんいる。他人と違うことを言えば目立つからだ。「良い逆張り」と「悪い逆張り」が混在しており、これを見抜かないと間抜けなことになり兼ねない。
 
さて、マーケティングの世界でも逆張りの発想は多用されている。
そして、ここでも魅力的なアプローチながら成功は難しく、「良い逆張り」と「悪い逆張り」が共存している。今回は、不幸な結果を招かないための「逆張りマーケティング」を考えてみた。
 

photo credit : JLA Kliché via photopin cc

 
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電卓アプリには音が欲しい!


この記事の所要時間: 220秒 〜 320秒程度(1431文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
パソコンやスマートフォンの普及が進む中、無くなりそう無くでならないのが電卓です。
 
電卓の第一のベネフィットは簡単明瞭。正しい計算結果を手に入れることでしょう。
計算結果を手に入れるというベネフィットは古くから必要とされており、これを満たすためにそろばんや計算尺が用いられていた歴史があります。筆算などもこのベネフィットを実現するための道具と言っていいかも知れません。
 
ベネフィットが正しい計算結果だけならば、今の時代、電卓はパソコンやスマートフォンの電卓アプリ、エクセルなどの表計算ソフトへと置き換わるのが自然です。しかしながら、他のことではパソコンやスマートフォンに頼りきっている人の中にも、いまだに電卓を使い続ける人がたくさんいます。これはなぜなのでしょうか。
 

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オフィスのランチにみそ汁革命を!


この記事の所要時間: 240秒 〜 340秒程度(1610文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
毎日毎日、いくつもの企業からさまざまな新商品が発表・発売されています。どれも多くの知恵と情熱をつぎ込んで開発したものなのでしょうが、「これは売れるかも」と思う商品はあまりありません。むしろ「こんなの誰が買うんだ?」という商品がほとんどです。中には、「何を考えているんだ?」「血迷ったか!」と心配になるような商品も見受けられます。
 
さて、そんな中、MSN産経ニュースのトレンドウォッチで、
小型みそ汁サーバー「椀SHOT Ver.2」という商品が目を惹きました(参考:マルコメ オフィスでみそ汁、いつでも手軽に)。正直言って、最初に記事のタイトルを見たときは「何を考えているんだ?」の見本のような商品だと思って興味を持ちました。でもこの商品、よく考えると案外捨てたものでないのかも知れません。
 

photo credit : gullevek via photopin cc

 
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「不満解消 ≠ 満足向上」に気を付けろ!


この記事の所要時間: 150秒 〜 250秒程度(1184文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
モチベーションについての考え方として、ハーズバーグの動機づけ・衛生理論があります。職場において、従業員に「満足」を与える動機づけ要因と、「不満」を抑える衛生要因は別々にあるという考えです。この理論に従えば、「賃金」や「労働条件」を改善しても、それは不満の解消にとどまり、満足やモチベーションの向上にはつながりません。モチベーションを高めるためには、これとは別に「仕事の達成感」や「責任範囲の拡大」が必要ということになります。まあ、簡単に言ってしまえば、モチベーションについて「不満と満足は非対称」だということです。
 
動機づけ・衛生理論は、本来、職場における個人や個人の勤務態度についての議論ですが、「不満と満足の非対称性」のフレームで考えることは他のジャンルにも応用可能でしょう。例えば、マーケティングにおいても有効なフレームだと考えられます。
 

photo credit : Der Toco via photo pin cc


 
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「願えば叶う」を実現するために


この記事の所要時間: 220秒 〜 320秒程度(1396文字)


中小企業診断士の佐々木孝です。
 
自己成就予言という言葉をご存知でしょうか。
これは願えば(=予言すれば)叶う(=成就する)を社会心理学的に説明した用語で、『社会心理学小辞典』(有斐閣)には以下のような説明があります(参考:はてなキーワード)。

個人が、意識的あるいは無意識的に、自己の予言や主観的期待に沿うような結果を生じさせる行動をとったために、自己の予言や期待通りの結果が出現する現象。または、そのような予言。

例えば、「血液型占いは正しい」という期待を持った時、A型で神経質な人とそうでない人の両方を見たにも関わらず、無意識的にA型で神経質な人のことだけを選択的に記憶していくことにより、「やはり、身近な人にもよく当てはまっているから、血液型占いは正しい」という期待通りの結果を自分で生み出してしまうという現象などがそれに当たる。

他にも、他者または自己自身に対するレッテル貼りの効果、実験場面における実験者効果、教師の期待のピグマリオン効果、役割の内面化、などが知られている。いずれの場合にも、本人には、自己の予言や仮説が客観的に確証されたようにみえる。

 
つまり、「絶対に成功する」と信じていれば充分な作業を行なうので成功し、「どうせ駄目だ」と思っていれば何もしないので失敗するという理論です。ポイントは願うことにより行動が変わるところです。「願えば → 叶う」ではただの精神論ですが、「願えば → 行動が変わるので → 叶う」ならばある程度の現実味が出てきます。
 
さて、これをビジネスにあてはめてみると、以下のようになります。
 

 新製品を「売れる」と信じる
  ↓
 マーケティング活動に充分な投資をする
  ↓
 新製品がヒットする(確率が上昇する)

 
もちろん「売れる」と信じて充分なマーケティング活動を行なうだけで新製品が売れるなら、何の苦労もありません。つまり、そんな訳はありません。それでも「売れない」と思っている新製品を出すよりはヒットする確率が高いのは間違いないように思います。
 
企業が新製品を発売する限り、誰かがその製品を「売れる」と信じているのは間違いありません。問題はその「売れる」がどの範囲でどの程度の合意を形成しているかです。企業内の意思決定の仕組みは、個別の企業、時期、意思決定の内容等で大きく異なります。その結果、例えば、商品開発部門は「売れる」と思っているけどマーケティング部門は信じていない、社長が「売れる」とゴリ押ししているので発売に漕ぎ着けたが現場の温度は低い等の事態になります。これではヒットの確率は大して上昇しません。

「願えば叶う」を実現するために必要なのは「売れる」に共感を集めることです。
商品開発部門の思いが、マーケティング部門や営業部門、そして経営陣に伝わり、それが小売店や消費者に伝播すれば新製品はヒットするでしょう。企業内で新製品を発売するためには手続きが必要になり、その手続きは多くの場合ルーチン化していて思いを伝えるようなものではありません。でも、だからこそ、手続きに終始するのではなく思いを伝えることが重要なのです。もちろん、思いだけでなく、信じられる理由がキーになります。
 
理想論のようですが、そんなことを考えました。