タグ : 主観と客観

片方だけなくなる靴下と哲学としての統計学


この記事の所要時間: 310秒 〜 410秒程度(1870文字)


「なぜ靴下は片方だけなくなるのか?」というテーマがある。「片方だけなくなる」理由は簡単で、両方なくなったら、なくなったこと自体に気付かないから。この答えは、言われてみれば「ごもっとも」だが、なかなか思い浮かばない発想だろう。「そもそも靴下なんてなくさない!」という野暮なつっこみさえしなければ、よくできた寓話と言える。
 
このように、自分が接したり、気付いたりした部分だけに注目して、誤った結論に達することは少なくない。ある意味ではデータを集めて考えているのだが、データをうまく使いきれてないでも言おうか。そこに欠けているのは、「哲学としての統計学」となる。
 

靴下

credit: clausjuntke via pixabay

 
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究極の質問 この商品を友人に薦めますか?


この記事の所要時間: 340秒 〜 440秒程度(2045文字)


アンケートで顧客の声を知りたいとき、どんな質問をすれば良いだろうか。
顧客満足、次回購入意向、価格の妥当性評価、顧客が考える商品の長所/短所、そのジャンルの商品を選ぶときに重視するポイント、今まで購入したことのあるライバル商品、顧客の性別や年齢、・・・。知りたいことはいくらでもあり、アレも聞きたい、コレも聞きたいとなりがちだ。しかし、知りたいことをただ並べただけのアンケートをしても、その結果をビジネスに活かすのは難しい。「いろいろわかった」だけで、ビジネスを前に進めるヒントは一切得られないことになる。
 
アンケートを組み立てるときは、最も重視する「核にする質問」を一つ決めて、その他の質問をそれとの関連で捉えるとわかり易くなる。例えば、顧客満足を核の質問にして、これに影響を与える要因、これに影響を受ける要因を見ていけば話はシンプルだ。その上で、顧客満足を向上させるために、この指標に大きく影響を与えている要因を改善していく。もちろん、実際のアンケートづくりはそこまで単純なものではないが、考え方の筋道はこのようになる。
 
ただ、核にする質問をどう選ぶかが案外難しい。顧客満足で良いようにも思うが、それが購入意向につながらなければ意味がない。だからと言って購入意向を核にすると、「満足してない」のに仕方なく「次回も買う」お客が邪魔になってしまう。両方を核の質問にする手もあるが、今度は焦点がぼやけてしまい、二つの質問結果の使いわけが難しくなる。
 
今回紹介する「究極の質問」はこの悩みに応えるもので、具体的には次の質問文となる。

 ○○を友人や同僚に薦める可能性は、どのくらいありますか

これ一つを聞くだけで良いというのだから、何とも魅力的ではないか。
 

質問

credit: geralt via FindCC

 
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スティーブ・ジョブズの不都合な真実!?


この記事の所要時間: 320秒 〜 420秒程度(1921文字)


昨年公開された映画『スティーブ・ジョブズ』について、興味深い記事を目にした。GIGAZINEに掲載された映画「スティーブ・ジョブズ」に描かれなかったAppleの真実とは?という記事で、ジョブズとともにアップルコンピュータ(当時)を立ち上げたウォズことスティーブ・ウォズニアックからの反論だ。映画が公開されたときから「ジョブズの映画は間違っているところがたくさんある」とコメントしていた彼だが、今度は「女優カルメン・ペレスさんのGoogle+」で反論したらしい。
 
曰く、

 ●ジョブズがエンジニアやプログラマーであったことは一度もない
 ●Apple IIはウォズニアック氏が独力で開発した

など。これらの発言、ウォズ好きとしては全面的に支持したいが、冷静になれば事実は「神のみぞ知る」というのが妥当なところだろう。ウォズがこのような認識でいるのは間違いないとして、それを裏付ける根拠が示せそうにないからだ。
 

Apple

Photo credit : Sam Howzit / CC BY

 
それにしても考えさせられるのは、これだけ情報が豊富にある世の中になっても「事実」の同定がかなり難しいということだ。しかしそれでも、ビジネスで失敗したくないのなら、「事実」にこだわることは欠かせない。
 
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データ活用で流行語ランキングを決めるなら


この記事の所要時間: 430秒 〜 530秒程度(2525文字)


2013 ユーキャン新語・流行語大賞が発表になった。今年は年間大賞が「今でしょ!」、「お・も・て・な・し」、「じぇじぇじぇ」、「倍返し」の4つ。これらを含めたトップテンは以下の通りとなる。

 2013ユーキャン新語・流行語大賞 トップテン    ※ホームページ掲載順
 ・今でしょ!
 ・お・も・て・な・し
 ・じぇじぇじぇ
 ・倍返し
 ・アベノミクス
 ・ご当地キャラ
 ・特定秘密保護法
 ・PM2.5
 ・ブラック企業
 ・ヘイトスピーチ

 
さて、この新語・流行語大賞を選んだのは姜尚中(作家・聖学院大学全学教授)、俵万智(歌人)、鳥越俊太郎(ジャーナリスト)など7名で構成される選考委員会だ。選考の結果や委員についてあれこれ言うつもりはないが、何とも前時代的な決め方と言えよう。いくら言葉や流行に敏感な人たちを集めても、個人の認識にはおのずと限界がある。一人一人の主観に基づいた「流行している/流行していない」の議論は、外から見ればかなり滑稽だ。「流行している」と言ったもん勝ちの感は否めない。
 
最近は、さまざまな技術の進歩によりいろいろなモノやコトが「計れる」ようになってきている。今の時代、流行語ランキングも計量したデータを活用して、もっと客観的な選考方法に変わると良いだろう。すでに今年の新語・流行語については、データからのアプローチがいくつか見られた。近い将来、流行語の捉え方が大きく様変わりする時代がやってくるかも知れない。
 

Photo credit : rick / CC BY Photo credit : rick / CC BY

 
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東京ツイートマップとデータアーティスト


この記事の所要時間: 210秒 〜 310秒程度(1294文字)

 photo by Twitter Blog photo by Twitter Blog

 
これは、いろいろな人たちがツイッターでつぶやいた場所をプロットした地図だ。ジオタグの位置情報を使用しており、東京ツイートマップとでも名付けたらいいだろう。山手線をはじめとした鉄道路線が読み取れ、新宿や渋谷など大きな街はかなりはっきり明るくなる。対象データは「2009年以降のジオタグ付き全ツイート」とのこと。どれだけ大量のツイートをマッピングしたのかは想像もつかないが、ビッグデータなのは間違いない。(参考:ツイートされた位置をマッピングして浮かび上がる都市の形、東京など13画像|INTERNET Watch
 
そして、このビッグデータ活用は素晴らしい。
なぜなら、無駄な加工をしておらず、元データを忠実に表現しているからだ。
 
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