タグ : データの罠

iOS 9への驚異的な移行ペースは信用できる!?


この記事の所要時間: 30秒 〜 40秒程度(1774文字)


AppleのiOS 9が好調らしい。リリースからたった4日で、iPhoneをはじめとするiOSデバイスの50%以上が最新OSに移行したという。Androidの最新バージョン・Lollipopがリリースから1年近く経った今でも普及率20%強にとどまっていることを考え合わせると、iOS 9への移行ペースがどれだけ凄いかわかるだろう。ある種の文化の違いなのかも知れないが、4日で50%以上のアップデートはあまりに驚異的なペースだ(参考:「iOS 9」移行ペースは過去最速–リリース4日でiOS端末50%超に搭載|CNET Japan)。
 
さて、多くの人は「移行率50%以上」をそのまま受け入れるだろうが、データにこだわる者としてはその求め方が気になって仕方ない。AppleはどうやってiOS 9の移行率を求めているのだろうか。ちょっと考えてみた。
 

 
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朝食人気ナンバーワンはマクドナルド!?


この記事の所要時間: 250秒 〜 350秒程度(1652文字)


先日、ロイターに米マクドナルド、朝食好きの間で一番人気 2位サブウェイ=調査という記事があった。外食産業各社が「朝食」に注目していると言われる中、アメリカの朝食人気ナンバーワンはマクドナルドなのかと思ったが、どうもそうとは限らないらしい。
 
記事のタイトルで読み飛ばしてはいけないのは、「朝食好きの間で」という部分。ランキングがあるとついつい順位に目が行ってしまうが、どのような組成のランキングなのかをチェックしないと勘違いの元と成り兼ねない。今回の記事で紹介されている順位は、「朝食好き」な人たちによるかなり特殊なランキングだ。
 

朝食

credit: condesign via pixabay

 
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「美人投票」に要注意!


この記事の所要時間: 210秒 〜 310秒程度(1359文字)


村一番の美人を投票で選ぶとする。このとき、1位になった美人に投票した村人に賞金を出すようにしたら、結果はどうなるだろうか。村人は、「自分が美人だと思う人」ではなく、「みんなが美人だと思うだろう人」に投票するようになるだろう。その結果、平均的な美人(?)が選ばれ易くなる。賞金を出すことで、どんな人に投票するかの基準が変わってしまう訳だ。
 
ケインズ経済学で有名なジョン・メイナード・ケインズは、株式市場で取るべき行動をこの「美人投票」に当てはめて説明した。即ち、「自分が値上がりすると思う銘柄」ではなく、「みんなが値上がりすると思うだろう銘柄」を買った方が、株式投資では儲かると主張したのだ。このケインズの「美人投票」理論には反論もあるようだが、「自分が思う」と「みんなが思うだろう」の違いは意識しておいて損がない。この微妙で大きな違いを見逃すと、目も当てられないことに成り兼ねないからだ。
 

投票

credit: landrachuk via pixabay

 
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片方だけなくなる靴下と哲学としての統計学


この記事の所要時間: 310秒 〜 410秒程度(1870文字)


「なぜ靴下は片方だけなくなるのか?」というテーマがある。「片方だけなくなる」理由は簡単で、両方なくなったら、なくなったこと自体に気付かないから。この答えは、言われてみれば「ごもっとも」だが、なかなか思い浮かばない発想だろう。「そもそも靴下なんてなくさない!」という野暮なつっこみさえしなければ、よくできた寓話と言える。
 
このように、自分が接したり、気付いたりした部分だけに注目して、誤った結論に達することは少なくない。ある意味ではデータを集めて考えているのだが、データをうまく使いきれてないでも言おうか。そこに欠けているのは、「哲学としての統計学」となる。
 

靴下

credit: clausjuntke via pixabay

 
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今年の夏、デング熱患者は減るけど増える!?


この記事の所要時間: 210秒 〜 310秒程度(1364文字)


数週間前までの春の冷え込みも何処へやら。4月も下旬に入り、少し動いただけで汗ばむような日が多くなってきた。ゴールデンウィークが終われば、立夏を迎えて暦は夏。暑さは、すぐそこまで来ている。
 
さて、暑くなれば蚊が湧いてくる。気になるのは、昨夏騒動になったデング熱だ。昨年はデング熱患者が160名発覚し、代々木公園や新宿御苑が閉鎖される事態に至った。今年の夏もあのような騒ぎになるのだろうか(参考:デング熱について|厚生労働省)。
 
今年は、東京都などが既にデング熱対策に乗り出しており、その効果を考えれば患者は「減る」と予想するのが常識的だろう。しかし、少しリサーチの視点を入れると、「増える」可能性の方が高いように思えてくる。「減るけど増える」としたのはそのためだ。
 

蚊

credit: Mehihe via pixabay

 
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