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餃子支出金額、「浜松vs宇都宮」の不思議


この記事の所要時間: 30秒 〜 40秒程度(1777文字)


このブログでも何度か話題にしている家計調査の最新データが、総務省統計局より発表された。家計調査報告(家計収支編)―平成26年(2014年)平均速報結果の概況―がそれで、要約の冒頭部分を引用すると以下の通り。

2014年は4月に消費税率が5%から8%に引き上げられたが,消費支出は,総世帯で前年に比べ名目で同水準となった。また,実質3.2%の減少となり,2011年以来3年ぶりの減少となった。二人以上の世帯では実質2.9%の減少,単身世帯では実質2.4%の減少となった。

2014年、一般家庭の財布の紐はなかなか緩まなかったようだ。
 
さて、家計調査と言えば餃子(家計調査での品目分類名は「ぎょうざ」)。2014年は浜松市が宇都宮市を征して購入額日本一に輝いたようだ(参考:日本一ギョーザ購入額、浜松が首位奪還 宇都宮抑え2年ぶり|日本経済新聞)。正直、どちらの市が餃子日本一でも結構だが、気になるのは餃子購入の内実の方。以前にも書いた通り、浜松市と宇都宮市は餃子が高いのだ。そこで今回は、両市の餃子購入実態の「異常さ」をわかり易く見せるため、プロット図をつくってみた。
 

餃子

credit: shingo via FindCC

 
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難関校合格者には朝日小学生新聞読者が多い?


この記事の所要時間: 420秒 〜 520秒程度(2430文字)


先日、不思議な記事を見掛けた。日刊スポーツの難関私立中学の合格者は朝小の読者多いという記事だ。少し長いが、以下に引用する。

 難関私立中学の合格者には「朝日小学生新聞」(朝小)の読者の割合が高い-。

 そんな調査結果が10日、朝小を発行する朝日学生新聞社から公表された。

 今春の早稲田実業学校中等部(東京都国分寺市)で、聞き取り調査した合格者の36・8%(95人中35人)が朝小の現読者、またはかつての読者だった。慶応義塾中等部(東京都港区)では同41・1%(73人中30人)、東大寺学園中学校(奈良市)では同29・8%(161人中48人)だった。

 合格者からは「選挙記事などが分かりやすかった」「読む力、論理的に考える力がついた」などの声があったという。

 選挙の出口調査などに実績がある「ベルシステム24」に委託し、各中学の合格会場付近で聞き取り調査した。

 2014年の調査でも、灘中、女子学院中、筑波大付属駒場中で朝小読者の割合が4割を超えていた。

 
早稲田実業学校中等部、慶応義塾中等部、東大寺学園中学校の合格者は、3割〜4割が朝日小学生新聞(朝小)の現読者またはかつての読者だったとのこと。記事中には、「合格者からは「選挙記事などが分かりやすかった」「読む力、論理的に考える力がついた」などの声があったという」とあるので、直接的には書いていないものの「朝日小学生新聞は中学受験に効果がある」と言いたいのだろう。
 
さて、何が不思議かと言えば、記事で提示されているデータだ。果たして、この調査結果から「難関私立中学の合格者には「朝日小学生新聞」(朝小)の読者の割合が高い-。」と言えるだろうか。データを使った記事を読むと何となく納得してしまうが、よく考えるといささか疑わしい部分もある。
 

examination

credit: Xin Li 88 via FindCC

 
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開業率に違和感アリ!


この記事の所要時間: 30秒 〜 40秒程度(1747文字)


企業関連の統計に、開業率、廃業率がある。その名の通り開業、廃業の動向をあらわすもので、算出式の大枠の考え方は次の通り。

 ●開業率 = 開業企業数 / 期首既存企業数

 ●廃業率 = 廃業企業数 / 期首既存企業数

 (参考:『中小企業白書(2014年版)』 付属統計資料

 
この開業率と廃業率。政府がまとめた日本再興戦略の中で、「開業率が廃業率を上回る状態にし、米国・英国レベルの開・廃業率 10%台(現状約5%)を目指す」とされたこともあって、一定の注目を集めているように思う。しかし、この開業率には最初に見た時から違和感があり、どうにも納得いかないものがある。そこで今回は、その違和感の正体を説明してみようと思う。
 

start

credit: Hans via FindCC

 
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高齢者はクレーマー? データの見方に要注意!


この記事の所要時間: 240秒 〜 340秒程度(1563文字)


日経電子版に掲載された「お客様は神様」じゃない 猛威振るう反社会的消費者という記事が一部で話題になっている。「コンビニ土下座事件」などの顧客トラブルを受けたもので、顧客との関係見直しを提案する内容だ。顧客との関係は商売を行なう上で最も大切なものでありながら、相手があることもあって一筋縄では行かないもの。見直しの方向性や手段は別にして、これを機会に顧客との関係を再考するのは悪くない取り組みだろう。
 
さて、この記事の中に「問い合わせの多くは60代以上」と題したグラフが掲載されており、「企業に電話で問い合わせをする人の35.8%は60代以上で他の世代よりも圧倒的に多い」とある。記事のトーンは、まるで高齢者にクレーマーが多いようなニュアンスだ。だが、果たして本当にそうだろうか。そもそもの人口構成比を無視しているのが気になってならない。
 

distortion

credit: EJP Photo via FindCC

 
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新成人5万人増加の意味するところは?


この記事の所要時間: 250秒 〜 350秒程度(1672文字)


週明け1月12日は成人の日。この1年間で20歳になった「新成人」は126万人で、前年と較べて5万人多い。新成人の増加は、実に21年ぶりのことだという。
 
参考:統計トピックスNo.85 「未(ひつじ)年生まれ」と「新成人」の人口-平成27年 新年にちなんで- (「人口推計」から)|総務省統計局
 
さて、この21年ぶりの「新成人」増加。人口について久しぶりに耳にするのプラスの話題のようだが、自分が知っている人口動態の現状とはどうも合わない。では、この変化にどのような意味があるのだろうか。
 

 
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