タグ : データの罠

開業率に違和感アリ!


この記事の所要時間: 30秒 〜 40秒程度(1747文字)


企業関連の統計に、開業率、廃業率がある。その名の通り開業、廃業の動向をあらわすもので、算出式の大枠の考え方は次の通り。

 ●開業率 = 開業企業数 / 期首既存企業数

 ●廃業率 = 廃業企業数 / 期首既存企業数

 (参考:『中小企業白書(2014年版)』 付属統計資料

 
この開業率と廃業率。政府がまとめた日本再興戦略の中で、「開業率が廃業率を上回る状態にし、米国・英国レベルの開・廃業率 10%台(現状約5%)を目指す」とされたこともあって、一定の注目を集めているように思う。しかし、この開業率には最初に見た時から違和感があり、どうにも納得いかないものがある。そこで今回は、その違和感の正体を説明してみようと思う。
 

start

credit: Hans via FindCC

 
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高齢者はクレーマー? データの見方に要注意!


この記事の所要時間: 240秒 〜 340秒程度(1563文字)


日経電子版に掲載された「お客様は神様」じゃない 猛威振るう反社会的消費者という記事が一部で話題になっている。「コンビニ土下座事件」などの顧客トラブルを受けたもので、顧客との関係見直しを提案する内容だ。顧客との関係は商売を行なう上で最も大切なものでありながら、相手があることもあって一筋縄では行かないもの。見直しの方向性や手段は別にして、これを機会に顧客との関係を再考するのは悪くない取り組みだろう。
 
さて、この記事の中に「問い合わせの多くは60代以上」と題したグラフが掲載されており、「企業に電話で問い合わせをする人の35.8%は60代以上で他の世代よりも圧倒的に多い」とある。記事のトーンは、まるで高齢者にクレーマーが多いようなニュアンスだ。だが、果たして本当にそうだろうか。そもそもの人口構成比を無視しているのが気になってならない。
 

distortion

credit: EJP Photo via FindCC

 
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新成人5万人増加の意味するところは?


この記事の所要時間: 250秒 〜 350秒程度(1672文字)


週明け1月12日は成人の日。この1年間で20歳になった「新成人」は126万人で、前年と較べて5万人多い。新成人の増加は、実に21年ぶりのことだという。
 
参考:統計トピックスNo.85 「未(ひつじ)年生まれ」と「新成人」の人口-平成27年 新年にちなんで- (「人口推計」から)|総務省統計局
 
さて、この21年ぶりの「新成人」増加。人口について久しぶりに耳にするのプラスの話題のようだが、自分が知っている人口動態の現状とはどうも合わない。では、この変化にどのような意味があるのだろうか。
 

 
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アイス・バケツ・チャレンジとネズミ講


この記事の所要時間: 330秒 〜 430秒程度(2009文字)


8月後半、日本でもアイス・バケツ・チャレンジが大きな話題となった。ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者支援のためのアメリカ発のこの企画。その拡散スピードは凄まじく、何とも異様な広がりを見せた。日本ALS協会によれば、「8月18日から31日までの2週間で、協会に寄せられた寄付は合計2747万円」とのこと。単純に1人1万円と考えると、2,747人が寄付したことになる(「アイスバケツチャレンジ」に日本ALS協会が感謝のコメント 募金額は2週間で2747万円に|ねとらぼ)。
 

 ●指名された人は24時間以内に
   ・ALS協会に100ドルを寄付する
   ・頭から氷水をかぶる
  のいずれかを選ぶ ※両方を行なってもよい

 ●次にバトンを渡す3人を指名する

アイス・バケツ・チャレンジ企画の肝はこの基本ルールにある。(1)対象者1人が「3人を指名する」ため、その対象者は指数関数的に裾野を広げて増加する。しかも、(2)「24時間以内」という厳しい条件があることにより、1回転のサイクルが早い。そして、(3)寄付も氷水も強制ではないとはいえ、根底にチャリティの理念があるので何となくスルーはし難い。これら3つの条件が揃った結果、対象者の輪が勢いよく広まった訳だ。いつの間にか収束したようだが、何かの拍子に再燃すればまた同じような現象が起きないとも限らない。
 

pyramid selling

credit: Nickay3111 via FindCC

 
このルールとその広がりを見て、俗に言う「ネズミ講」を連想した人は多いだろう。その目的は大きく違うと言えども、拡散の様相は極めて似通っている。1人が複数人に紹介することで、巻き込まれる人数が爆発的に増えていく仕組みに変わりはない。ことが善意の広がりならば、それはそれでいいように思うかも知れないが、ネズミ講を連想するような拡散の仕組みには大きな注意が必要だ。一つ間違えれば、収拾の付かないことになる。たとえ善意の連鎖が目的だとしても、不用意に手を出さない方が無難だろう。
 
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ゴキブリ指数は有効?無効?


この記事の所要時間: 320秒 〜 420秒程度(1876文字)


ゴキブリの発生リスクが一番高い都道府県は東京都らしい。マイスタースタジオという会社が発表したデータによるもので、東京都の指数は2.31。これが全国平均を1として算出した値だから、東京のゴキブリ発生リスクは全国の2倍以上ということになる(参考:ゴキブリ「発生リスク」が高い街はどこか?|MSN産経west)。
 
この「ゴキブリ指数」とでも言いたくなる数値。
「まあ、そんなところかな」と思いつつも、算出方法が気になるのがデータ好きの性だ。そこで、この指数についてちょっと考察してみた。
 

計算

credit: geralt via FindCC

 
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