タグ : データの罠

ロイホ全面禁煙 → 売上高向上はデマだった!


この記事の所要時間: 220秒 〜 320秒程度(1439文字)


ここ1週間ぐらい、ロイヤルホストが全面禁煙で売上高を向上させたという記事見出しやツイートを何度も目にした。「そんなものかな」と思いつつ、少し気になったので調べたところ、この話はデマだったようだ。ロイホが全面禁煙にしたのは今年(2013年)の11月1日、全面禁煙 → 売上高向上の話が出始めたのは11月29日。まだ、IR情報ページの月次売上速報さえ公表されていないタイミングで、全面禁煙実施後の売上高がわかる筈がない。どうやら、全面禁煙実施前の売上高向上を全面禁煙の効果と勘違いしたから騒ぎだったらしい。
 
話の発端は2ちゃんねるニュー速VIP板の【悲報】ロイヤルホストが禁煙化を推し進めた結果・・・・・・というスレッド。これが、アルファルファモザイク暇人速報のような2ちゃんねるまとめサイトに転載され、その後、Twitterなどで広がるというお決まりのパターンになった。
 
飲食業や小売業にとって、月次売上は経営に大きな影響を与える極めて重要な財務指標だ。だからこそ株主や投資家に向けて情報を公開している。それを勘違いされてデマが広がってしまったのでは、たまったものではない。今回はプラスの話題だからまだ良かったが、何とも人騒がせな話だ。
 

Photo credit : Wonderlane / CC BY Photo credit : Wonderlane / CC BY

 
続きを読む

100万台は実売数? 大きな数値に気をつけろ!


この記事の所要時間: 410秒 〜 510秒程度(2345文字)


年末商戦を控え、新型ゲーム機が相次いで発売された。ソニー・コンピュータエンタテインメントの「プレイステーション4」とマイクロソフトの「XboxOne」だ。ともに日本での発売は来年2014年となるが、ゲーム市場に大きな変化が見られる中、注目を集めるのは間違いないだろう。
 
さて、これら両商品について次のようなニュースがあった。
 ●ソニーのPS4、北米発売初日で100万台超販売|WSJ.com
 ●マイクロソフトの新型Xbox、初日の販売100万台超|WSJ.com
どうやら、それぞれ初日に100万台販売されたらしいのだ。
 
記事を読む限り、販売台数はマスコミ等の推測ではなく両社の発表。何らかの事実に基づいた数値なのだろうが、あまりに出来過ぎた話で「ホントかよ!」と突っ込みたくなる。にわかに信じ難い。
 

Photo credit : Alan O'Rourke / CC BY Photo credit : Alan O’Rourke / CC BY

 
続きを読む

広告と買い物の因果関係はまぼろしか!?


この記事の所要時間: 250秒 〜 350秒程度(1690文字)


原因結果の関係を考えるのは難しい。例えば、ある現象とある現象が連続して起きた場合、そこに因果関係があるように思ってしまいがちだが、必ずしもそうとは限らない。お酒を飲み過ぎて気持ち悪くなったとしても、ランチで食べた刺し身に当たっただけかも知れない。社長が交代して会社の業績が向上したら新社長の功績のように思ってしまうが、前任者の従業員教育がやっと花開いた可能性もあるし、市場環境が好転しただけとも考えられる。
 
これらの例を挙げるまでもなく、日ごろ何となく考えている因果関係にはかなりいい加減なものも多い。結果から原因を推測する話を聞いていると、「それ、違う!」と思うことがしばしばだ。日常生活でそこまで因果を突き詰めて考える必要がないというのもあるが、聞き流せない場合も少なくない。
 
同じような現象についてたくさんの事例を集めて、その関係を分析すれば多少はまともな因果関係を推測できるが、それとて完璧ではない。事例の集め方や捉え方で、結果は大きく変わってくるからだ。人は、起こった現象の原因を簡単に特定しようとするが、実際にはかなり難しい作業と言える。
 
さて、因果関係の誤解について、おもしろい記事を目にした。Webユーザビリティ研究の第一人者であるヤコブ・ニールセンの書いたインターネットでのアクティビティバイアスは、ユーザーの行動にムラを作る|U-Siteという記事だ。ニールセンはYahoo!とeBayのスタッフが書いた論文を取り上げ、広告と買い物の因果関係はまぼろしかも知れないと疑問を呈する。
 

Photo credit : alles-schlumpf / Foter / CC BY-NC-SA Photo credit : alles-schlumpf / Foter / CC BY-NC-SA

 
続きを読む

毎日わかる経済指標は役立たない!?


この記事の所要時間: 310秒 〜 410秒程度(1835文字)


日本政府が新しいマクロ経済指標をつくろうとしている。何ごとを為すにしても、現状をしっかり把握することがスタート地点。経済の仕組みが大きく変わっていく中、新指標作成に取り組む姿勢は素晴らしい(参考:政府がビッグデータ活用した新マクロ指数作成へ、世界初の試み 政策対応迅速に|Reuturs)。
 
さて、このマクロ経済指標。詳細についてはこれから検討されるようだが、記事を読む限りポイントは以下の3点だ。

 ①景気と連動性が高いビッグデータの活用

 ②指標作成の迅速化

 ③対象期間の短期化

今まで観測できなかったようなビッグデータを用いることにより、指標の精度と即時性を向上させようとしている。現在使っている景気動向指数で景気の山・谷が決まるのは1年以上経ってから。景気判断のタイミングを早めることで、素早い景気対策を行なうという狙いは極めて明解だ。
 
ただし、経済指標を算出する対象期間の短期化には疑問がある。記事には「新指数の作成頻度を毎日とするか週単位とするかなども検討」とあるが、俄に信じ難い。これを実現すれば、「昨日は一昨日より景気が悪かった」、「どうやら先々週が景気の谷らしい」というようなことになり兼ねない。精度の高い経済指標ができて、これらの景気判断が正しかったとしても、こんな情報は混乱を招くだけだと考えられる。なぜなら、データを短期化していけば、ノイズが増えるのは必至だからだ。
 

Photo credit : Nukamari / Foter / CC BY-NC-ND Photo credit : Nukamari / Foter / CC BY-NC-ND

 
続きを読む

国民生活世論調査、真の満足度は何%?


この記事の所要時間: 310秒 〜 410秒程度(1805文字)


「現在の生活に対する満足度」が18年ぶりに7割を超えた。この数値は内閣府の国民生活に関する世論調査によるもの。内閣府は「経済改善の表れ」としている(参考:「生活満足」18年ぶり7割台 内閣府の国民生活調査|朝日新聞)。
 
さて、国民の生活に対する満足度が7割超という調査結果から、どんな世の中をイメージするだろうか。何せ7割だ。かなり多くの人が生活に満足して、幸せに暮らしている様子を思い浮かべて不思議はない。しかし、現実の世の中を見ると、到底そうなっているとは思えない。長期的な経済停滞、慢性的な将来不安などの影響で、生活に不満を持っている人が多いように感じられるのだ。調査結果と自分の実感には大きな食い違いがある。
 
では、なぜ調査結果と実感がズレるのか。
今回は、このズレの原因について考えてみる。
 

Photo credit : Christopher Read Photography / Foter / CC BY-NC-ND Photo credit : Christopher Read Photography / Foter / CC BY-NC-ND

 
続きを読む