タグ : データの罠

Wikipediaの医療情報は信用できない?


この記事の所要時間: 310秒 〜 410秒程度(1833文字)


どうやらWikipediaの病気や健康に関する情報は信用できないらしい。米キャンベル大学の研究チームが行なった調査によれば、「90%もの内容が誤情報であることがわかった」とのことだ(参考:ウィキペディアを信じるべからず。病気や健康に関する記載の9割が虚偽情報だと判明|IRORIO)。
 
正誤の判断基準などがわからないため確定的なことは言えないものの、誤情報が「90%」というのは絶対的な割合としてかなり高い。Wikipediaの医療情報が信用できないのは確かだろう。しかし、これをもってWikipediaを批判するのには些か抵抗がある。なぜなら、この数値には比較の視点が欠けているからだ。
 

Wikipedia

credit: Kalexanderson via FindCC

 
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「小保方さん応援ツイートが多い」は本当か?


この記事の所要時間: 420秒 〜 520秒程度(2437文字)


毎日新聞にツイッター分析:小保方氏会見への応援・支持、批判の2倍にという、俄に信じ難い記事があった。何も、小保方さんへの応援や支持が増えたことを驚いているのではない。こんなことが「分析ソフト」を使ったくらいでわかると考えている新聞社の不見識にびっくりしたのだ。
 
世の中には、ソフトウェアを使ったデータ分析に過度な期待をする向きがある。しかし、ソフトウェアとて魔法の道具ではない。「できること」と「できないこと」、更に「条件付きでできること」がある。そして、今回の記事での分析のような「条件付きでできること」を頭から信じると、その結果について大きな勘違いをすることになってしまう。
 
データ分析を行なう側に「騙してやろう」という悪意があるかは定かではない。しかし、個人も企業も自分のやっていることを大きく見せたいのは確か。多少の針小棒大、羊頭狗肉は付きものだ。このため、分析結果が本当に信じられるかどうか疑う習慣を持つことが、データの罠に引っ掛からないために極めて重要となる。ビジネス誌などでデータ分析が大きく取り上げられる今だからこそ、身に付けて損のないスキルのように思う。
 

Twitter

Photo credit : mkhmarketing / CC BY

 
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座高測定廃止はもったいない?


この記事の所要時間: 320秒 〜 420秒程度(1890文字)


文部科学省が学校の健康診断での座高測定を廃止する。検査項目の見直しを要請していた有識者会議からの報告を受けて、省令を改正する方針とのこと。廃止の理由は、座高測定の検査結果が「ほとんど活用されていない」と単純明快だ(参考:27年度にも座高測定廃止 学校の健診見直し 文科省|MSN産経ニュース)。
 
これまでなぜ座高測定をしていたかはよくわからない。座高の測定がはじまった当初は「内蔵がある上半身の発達を確認する」目的があったという説もあるが、本当にこんな目的だったのか、そもそも座高を測ることで内蔵や上半身の発達を確認できるのかは不明。「学校で使う机や椅子の高さ決定に使う」ためという説は理に適っているものの、生徒全員の座高を毎年測定する理由にはならないだろう。報告書で「ほとんど活用されていない」と指摘されているのだから、測定を続けていた理由は「誰も止めようと言わなかったから」が真相なのかも知れない。
 
さて、こういう測定廃止の取り組みがあると、必ずと言っていいほど「データの継続性を考え、安易に測定を止めるべきではない」という反論が登場する。しかし、これに説き伏されてはいけない。一理あるのは間違いないものの、そこにあるのはデータ活用に対する熟考ではなく、現状維持バイアスに基づく過剰な「もったいない精神」だからだ。
 

Photo credit : lowa Digital Library / CC BY-NC Photo credit : lowa Digital Library / CC BY-NC

 
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ロイホ全面禁煙 → 売上高向上はデマだった!


この記事の所要時間: 220秒 〜 320秒程度(1439文字)


ここ1週間ぐらい、ロイヤルホストが全面禁煙で売上高を向上させたという記事見出しやツイートを何度も目にした。「そんなものかな」と思いつつ、少し気になったので調べたところ、この話はデマだったようだ。ロイホが全面禁煙にしたのは今年(2013年)の11月1日、全面禁煙 → 売上高向上の話が出始めたのは11月29日。まだ、IR情報ページの月次売上速報さえ公表されていないタイミングで、全面禁煙実施後の売上高がわかる筈がない。どうやら、全面禁煙実施前の売上高向上を全面禁煙の効果と勘違いしたから騒ぎだったらしい。
 
話の発端は2ちゃんねるニュー速VIP板の【悲報】ロイヤルホストが禁煙化を推し進めた結果・・・・・・というスレッド。これが、アルファルファモザイク暇人速報のような2ちゃんねるまとめサイトに転載され、その後、Twitterなどで広がるというお決まりのパターンになった。
 
飲食業や小売業にとって、月次売上は経営に大きな影響を与える極めて重要な財務指標だ。だからこそ株主や投資家に向けて情報を公開している。それを勘違いされてデマが広がってしまったのでは、たまったものではない。今回はプラスの話題だからまだ良かったが、何とも人騒がせな話だ。
 

Photo credit : Wonderlane / CC BY Photo credit : Wonderlane / CC BY

 
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100万台は実売数? 大きな数値に気をつけろ!


この記事の所要時間: 410秒 〜 510秒程度(2345文字)


年末商戦を控え、新型ゲーム機が相次いで発売された。ソニー・コンピュータエンタテインメントの「プレイステーション4」とマイクロソフトの「XboxOne」だ。ともに日本での発売は来年2014年となるが、ゲーム市場に大きな変化が見られる中、注目を集めるのは間違いないだろう。
 
さて、これら両商品について次のようなニュースがあった。
 ●ソニーのPS4、北米発売初日で100万台超販売|WSJ.com
 ●マイクロソフトの新型Xbox、初日の販売100万台超|WSJ.com
どうやら、それぞれ初日に100万台販売されたらしいのだ。
 
記事を読む限り、販売台数はマスコミ等の推測ではなく両社の発表。何らかの事実に基づいた数値なのだろうが、あまりに出来過ぎた話で「ホントかよ!」と突っ込みたくなる。にわかに信じ難い。
 

Photo credit : Alan O'Rourke / CC BY Photo credit : Alan O’Rourke / CC BY

 
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